『雪のひとひらSnow Flake』in Macau 2016

葛多藝術會(Godot ArtAssociation)10周年記念 招聘公演

2016年12月マカオ 「雪のひとひら」
(葛多藝術會による委嘱作品)
ギャリコ作「雪のひとひら」をMOMENTS版に舞台化した作品。一か月の滞在創作を行い、マカオ、香港、日本の混成キャストで親子向けクリスマス公演として上演。マカオ演劇学校の校長から「シンプルで、心を揺り動かす。これは絶対に見るべきだ。」と推賞される。

タイトル:『雪 Snow』

【劇評】

「雪」は、家族のありようを直接的に訴えかける。ひとひらの雪がさまざまな場面に降り落ち、雨粒と知り合い恋をして4姉妹を生み育て、ついには親しい者たちを次々と失い、やがて川や海へとひとり漂い流れてゆくしかない。見る者にとってそれは、いのちがたどる道筋をなぞるようなものだ。雪のひとひらは孤立無援の母のイメージであり、日本の深刻な高齢化、よるべなき一人暮らし老人の社会問題にいやでも思い至る。児童向け演劇のジャンルに置くことで、通常の大団円的結末ではなく淡々と哀愁をおびた終わり方で、大人と子供がいのちのことを深く学ぶ場となっている。ニット帽が、時や年齢がちがってもひとつの役を誰がやっているか観客に分かりやすく示してくれる。ニット帽は家族の暖かさを伝えるなど、ストーリーの語りかけに深みを与えている。遊び心のなかにも決していい加減なところがなく、マカオという小さな場所で示されたまじめでひたむきな上演の姿勢は、マカオと日本の演劇交流をいっそう深めるものとなった。

日時:2016年12月23日~25日

劇場:佰家文化創意空間 演出:佐川大輔

キャスト:陳飛歷 蘇家樂 吳璟賢 黃家熙 吳亦玲 黃嘉穎 胡嘉琪 鄭雯庭 Clair Nakahara(日本)

インタビュー記事はこちら(中国語)

テレビの特別番組はこちら(中国語&日本語 佐川&中原インタビューあり)

PAGE TOP