2月10日、日本演出者協会主催フェニックスプロジェクトVol.8大盛況で終了!
フェニックスプロジェクトとは東日本大震災の被災地に住む舞台芸術家支援のためのプロジェクト。
8回目の今回は、福島の現役高校生による震災をテーマにした作品の上演と、4つの高校演劇部の生徒によるシンポジウム。
本当に本当に素晴らしかった!
舞台上演は高校2年生が演じた先生と生徒役の二人芝居。
震災当時、浪江の高校で教師をしていた先生が書いた戯曲。
震災から約3か月間の物語。ほぼ先生のドキュメンタリー。
避難からサテライト校の設立。
バラバラに避難していて生徒たちへ進路に関して、サテライト校に関しての連絡。
そして先生も福島市へ避難し、福島市にできたサテライト校へ赴任。
そして父親は原発で働き、母と妹と不安な中で生活する高校3年生。
先の見えない状況、いきなり変わってしまった状況の中、不安定な人間がいかに前を向こうとしていたか?どうやって生きていくことを選択してきたのか?
震災当時小学校4年生だった生徒2名が、色々調べ、原作者である顧問の先生から話を聞き、被災した二人を演じきった。
本番、私は袖中から見守っていたが、演じた二人は、2週間前に福島で出会ったときより、たくましく、頼もしく、演者の表情になっていた。
今思い出しても、何とも言えない気持ちになる。
上演前には、震災から1年後の2012年に開催された、フェニックスプロジェクトVol.4の顧問佐藤教諭による震災に関して、そしてVol.4で主役を演じ、現在MOMENTSの舞台でも活躍している、今野健太が当時の想いなどを語った。
上演後は、上演校以外で来てもらっていた福島の3校の生徒たちも加え、総勢11名によるシンポジウム。
震災当時小学校3年生~5年生だった彼らの被災体験。そして今、震災をテーマに高校で演劇を作る難しさに関して、感じていることを、彼らの言葉で率直に語ってくれた。
11名、本当に素晴らしかった。
自分たちが被災した人たちを演じるとき、彼らの気持ちを理解できていないということに罪悪感があると語った彼ら。
それに対し、君らがそんな罪悪感を感じることは全くない。それは僕たち大人が悪い。すまないと話す顧問。
福島から約200㎞しか離れていない東京に住みながら、同じ日本人でありながら、同じ人間でありながら、自分は・・・・・
高校生の言葉に、観客の皆さんもそれぞれに様々なことを想ったと想像します。
フェニックスプロジェクトVol.4の時、高校1年生で出演、現在22歳になり、東京で役者をしている子が観に来た。
『フェニックスプロジェクトを観に行った帰り際、「あの頃必死に芝居作ってた私達がこれからの世代のために何ができるんだろう」って言ったら『とりあえず生きてりゃいいんだよ俺達は』って言われました。実は、なんか、ちょっとだけ、心に響いた気がします。』
とつぶやいていた。それだけでも今回Vol.8をやった意味があったと思った。
広島のように、沖縄のように、福島の人々は、これから永遠に7年前の過去とともに生きていかなければならないのであろう。
でも、これらはすべて、日本で起きたこと。
生徒たち、顧問たちは言った。
『忘れないでほしい。こういう作品を稽古する、上演することはつらい。でも忘れてはいけない。忘れないでほしい。私たちは語り継いでいかなければいけない。』
clare
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